近年、検索結果ページ上で直接情報を得るだけの「ゼロクリック検索」が増えています。
ウェブサイトを閲覧する人が減るため、企業にとってマイナスに思えるかもしれません。しかし、サイトを訪問するのは、情報をより深く正確に知りたい熱量の高い見込み客である可能性が高いと考えられます。
ゼロクリック検索は単なるトラフィック減少ではなく、「質の高いユーザー」に集中できるチャンスと捉えることができます。
この記事ではゼロクリック検索の基本と、ホットリードを逃さないサイト設計のポイントについて解説します。
目次
ゼロクリック検索とは

ゼロクリック検索とは、ユーザーが検索エンジンでキーワードを入力した際に、検索結果ページ上で直接情報を得る検索形式を指します。例えば、AIによるまとめ(AIオーバービュー)、強調スニペットなどがこれに該当します。ユーザーの意図を汲み取った詳細情報が表示されるため、ユーザーには利便性や時間短縮のメリットがあります。
ゼロクリック検索が増えた背景
スマートフォンや音声アシスタントの普及により、ユーザーはより素早く情報を取得することを求めるようになりました。そして、検索エンジンやAIは、ユーザーの意図に最適化された情報を提供できるだけの技術的進化を遂げています。つまり、ゼロクリック検索の増加は、ユーザーのニーズと技術の進化がもたらした結果であり、今後もさらに拡大していくことが予想されます。
ゼロクリック検索の現状と統計
ゼロクリック検索の割合は、PCで46.5%、モバイルで77.2%(*1)。
特にニュースや天気、株価情報などは検索結果画面上で即座に確認できるケースが多く、ニュースの閲覧に関しては、2025年5月には69%に達しています(*2)。
(*1) Zero-Click Searches: Why 60% of Google Users Never Click Through in 2025
(*2) https://www.briskon.com/blog/zero-click-searches/#impact-of-zero-click-searches
ゼロクリック検索がもたらす影響
ゼロクリック検索は、従来の「サイトに訪問させて情報を届ける」という従来のWebマーケティングの原則を覆すものです。マイナス面が強調されがちですが、プラスの影響も理解することで適切なサイト設計が可能になります。
プラスの影響
- 認知度の向上
ゼロクリック検索では、サイト訪問前のユーザーの目にも情報が入ります。企業名やサービス概要を知ってもらえる機会になり、認知度が向上する可能性があります。 - 信頼性のアピール
検索エンジンに要約が掲載されているサイトは、情報が整理された信頼できるサイトだと受け止められることがあります。そのため、ユーザーに安心感を与え、信頼性を高める要素になり得ます。
マイナスの影響
- トラフィックの減少
ゼロクリック検索において、ユーザーは検索結果ページで直接情報を得るため、ウェブサイトへの訪問者数が減少します。特に広告収入に依存しているサイトでは、大きな影響を受けます。 - ブランディング機械の減少
検索結果ページで情報を得る際、ユーザーは情報の出典元をほとんど意識しません。ゼロクリック検索によりサイト訪問に至らないことで、ブランド認知度がく低下することが懸念されます。 - 誤情報のリスク
AIがまとめる情報は、必ずしも正しいとは限りません。複数の情報が混じって誤った情報になったり、古い情報が表示されたりして、自社の情報を正しく伝えられない可能性があります。
ゼロクリック検索時代のサイト設計のポイント

ゼロクリック検索はサイトアクセスの減少につながる一方で、訪問前のユーザーにも情報を届けられるメリットがあります。さらに、実際に訪問するのは正確な情報を求める熱量の高いユーザーに絞られる傾向があります。
こうした点を踏まえて、サイト設計を見直しましょう。
1.検索結果ページにまとめられやすいコンテンツ構成
Seer Interactive社の調査によると、検索結果画面にサイト情報がまとめられた場合のクリック率は1.08%。まとめられなかった場合は0.6%なので、約1.8倍の差があります。
また、検索結果上に情報とリンク元が表示されることで、サイト訪問者以外にもアピールすることができます。
つまり、「検索結果画面にまとめられやすいコンテンツ」をつくることが重要なのです。
- FAQやQ&A形式で情報をまとめる
- 5W1Hがわかりやすい見出しにする
- ページ上部に結論や手順をまとめておく
- ファーストビューで内容が伝わる設計にする
- 構造化データを使う(schema.orgなどで情報をマークアップするなど)
など、AIが内容を理解しやすいサイトにすることが重要です。
2.ユーザーが次のアクションに迷わないUI
検索結果で内容を確認したユーザーのうち、興味関心の薄い層はゼロクリックで去っていきます。
つまり、サイトを訪問するのはさらに詳しい情報や具体的な解決策を求める人だということです。
- 問い合わせや資料請求のボタンやリンクを目立たせる
- 重要な情報や手順をページ上部に配置して、ファーストビューで目に入るようにする
など、ターゲットを熱量の高いユーザーに絞り、迷わず次のアクションに移れるUI設計にすることが重要です。
3.ユーザーの信頼を損なわないサイトデザイン
フォントや罫線の不整合、誤字脱字といった細かなミスは、ユーザーには目立ちやすく、信頼性を損なう要因となります。また、企業イメージと乖離した配色やキャラクターの使用は違和感を生み、ブランド価値を下げるリスクがあります。
企業側が軽視しがちな細部への配慮こそ、熱量の高いユーザーを離脱させないために重要なのです。
最も重要なのは、ユーザーとの接点を逃さないこと
サイト設計のポイントは多くありますが、最も重要なのは「熱量の高いユーザーが聞きたいことをすぐに聞ける環境」を整えることです。単に情報を提示するだけではなく、ユーザーとの接点をリアルタイムに持てるかどうかが、ホットリードを取りこぼさないコツになるからです。
誠実なサイト設計が、ゼロクリック時代を勝ち抜く鍵になる
ゼロクリック検索の拡大は、トラフィック減少という課題として語られがちです。しかし一方で、正確で深い情報を求める熱量の高いユーザーをフィルタリングする機能も果たします。そのようなユーザーの期待を裏切らないサイト設計を徹底すれば、「量から質」への転換が可能になります。
ここで挙げたサイト設計のポイントは、見出しの工夫やUIの最適化、誤字脱字のない誠実な表現など、一見すると基本的なことばかりです。ですが今後は、こうした基本を確実に実行できるかどうかが、企業の信頼性と成果を大きく分けます。短期的なアクセス数よりも、誠実さと信頼を積み重ねる姿勢こそが、熱量の高いユーザーを確実に惹きつける鍵になるのです。
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