「チャットボット×コールセンター」で実現する顧客対応の質と効率向上——導入のメリットとUX設計のポイントを解説

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近年、コールセンター業務の負担軽減と対応品質の向上を目的に、チャットボットを利用する企業が増えています。
問い合わせる顧客側にも「簡単な質問はチャットで手早く済ませたい」「有人対応は本当に困ったときだけでいい」といったニーズがあるため、適切なチャットボットの導入は、企業にもユーザーにもメリットがあると言えます。

しかし、チャットボットの的外れな対応は、逆に顧客満足度を大きく下げる要因になります。
この記事では、コールセンターにチャットボットを導入することで得られる効果と、導入成功のために押さえるべきポイント、チャットボット導入が有効な業種について解説します。

コールセンターへのチャットボット導入で得られる主な効果

コールセンターへのチャットボット導入で得られる主な効果

何のためにチャットボットを導入するのか、自社にとってどんな活用価値があるのかを明確すると、チャットボットと人間の役割分担も考えやすくなり、より効果的な運用ができます。

一次対応業務の自動化でオペレーターの負荷を軽減

チャットボットが一次対応し、定型的な問い合わせや簡単な案内を代行することで、オペレーターはより専門的な対応やクレーム対応など、人間にしかできない顧客サポートに集中できるようになります。その結果、オペレーターの負荷軽減と対応品質の向上が同時に実現します。

よくある質問への即時対応で、対応スピードと顧客満足度を向上

定型的な問い合わせにチャットボットが回答するメリットは、問い合わせるユーザー側にもあります。チャットボット導入により、ユーザーは待つことなく、必要な情報をすぐに得られるようになるからです。

ユーザーが気軽に問い合わせできる環境の整備

「人間に対応してもらいたい」と考える人がいる一方で、「チャットボットやAIで済むならそのほうが気楽だ」と考える人もいます。チャットボットが一次対応し、必要なときだけ有人対応に繋げる形であれば、ストレスの少ない問い合わせ体験をより多くのユーザーに提供できます。

24時間対応の実現による顧客利便性の向上

チャットボットを導入することで、深夜や早朝など、通常の営業時間外にも一定の問い合わせに自動応答できるようになります。24時間対応のサポート体制を構築でき、ユーザーの利便性が向上します。

失敗しないチャットボット活用のための4つのポイント

チャットボットは「顧客との接点を拡張するツール」

誰しも一度は、精度の低いチャットボットにストレスを感じた経験があるでしょう。
チャットボットを有効に活用するには、ユーザー視点に立った設計が欠かせません。
ここでは、失敗しないために押さえておきたい4つのポイントをご紹介します。

1.最新の情報をもとにした丁寧なシナリオ設計

チャットボットがスムーズに機能するためには、明確で丁寧なシナリオ設計が不可欠です。大前提として、FAQ(よくある質問)を常に最新に整備しておくことも重要。チャットボットが正確かつ迅速に回答できるように準備しておくことが、精度の高い回答に繋がります。

2.スムーズな有人対応へのエスカレーション設計

チャットボットでは対応しきれない複雑な問い合わせの多くは、「今すぐ対応してほしい」という熱量の高いものです。このとき、自然な流れで有人対応へつなぐ導線が設計されていれば、ユーザーのストレスを最小限に抑えながら、関心や期待が最も高まっているタイミングでの接点を逃さずに済みます。
また、チャットと音声会話の両方を利用できるようにしておくと、より効率的な対応が可能になります。

3.チャットボットの会話履歴の引継ぎ設計

チャットボットから有人対応に切り替わる際、チャットボットとのやり取りがオペレーターに共有されていないと、ユーザーは「また最初から説明しなければならないのか」と不満を感じます。
オペレーターがチャットボットとのやり取りを把握して対応を引き継いでくれている、とユーザーが実感できる一貫性が大切です。そのためには、チャットボットからの情報をオペレーターがすばやく理解できる必要があるので、オペレーター側のUI設計にも工夫が求められます。

4.個人情報入力のハードルを下げるUX設計

リード情報の取得が重要なのは言うまでもありませんが、会社名や氏名、電話番号の入力を求めると、離脱率が高くなる傾向があります。まずはユーザーの疑問や課題をスムーズに解消することを優先した設計を心がけましょう。
匿名で問い合わせができることで問い合わせの母数が増えれば、結果的に成約率の向上に繋がる可能性もあります。

チャットボットが特に効果を発揮する業種とは?

コールセンターへのチャットボット導入が効果的な業種には、いくつかの特徴があります。
それぞれの業種ごどに、チャットボットがおすすめである理由と、活用イメージを説明します。

定型的な問い合わせと複雑な問い合わせに二分される業種

「よくある質問(FAQ)はチャットボット、イレギュラーなケースは人間」と、役割分担がしやすい業種は、導入効果が高いです。
チャットボットが即座に対応することで顧客満足度を維持しつつ、オペレーターの稼働を大幅に削減できるからです。また、オペレーターは複雑な問い合わせに集中できるようになるため、対応品質の向上に期待できます。

例:
ECサイト、小売業、士業、行政・自治体、医療機関など

営業的なアプローチを警戒されやすい業種

高額で個別の相談やカスタマイズが必要なサービスを提供している業種の場合、ユーザーはどうしても営業されることを警戒します。
チャットボットが一次対応することでユーザーが気軽に問い合わせできる環境を整え、興味・関心が高まったタイミングで有人対応へ連携する導線を設計すると効果的です。

例:
エステ・美容クリニック、引っ越し、保険・金融、工務店・リフォーム業、不動産、学習塾・習い事、SaaS等のBtoBサービスなど

24時間体制でのトラブル対応が必要な業種

トラブル時にユーザーが迅速な対応を求める業種では、チャットボットを活用することで24時間の問い合わせ受付が可能にでき、ユーザーに安心感を提供できます。
特に通信やインフラ関連では、ユーザーにとっては緊急のトラブルでも、実際にはチャットボットで簡単に解決できる問い合わせも多いため、チャットボットの導入効果は非常に高いです。

例:
通信キャリア・プロバイダ、インフラ事業者、サブスクサービス、セキュリティ会社など

チャットボットは「顧客との接点を拡張するツール」

チャットボットは、単に業務を効率化するための自動化ツールではなく、企業と顧客の接点を拡張する可能性を持っています。
一次対応をチャットボットが担うことで、スピーディーな対応を求めるユーザーや有人対応にハードルを感じるユーザーのUXを向上。そのうえで必要に応じて有人対応にスムーズに切り替える仕組みを整えることで、個別の対応が必要なユーザーや熱量の高いユーザーを確実にサポートすることができます。今後のコールセンターでは、人間とチャットボットが相互に補完し合う設計が主流になっていくでしょう。

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