BtoB購買は「セルフサービスで情報収集」「決断を“人”が後押し」のハイブリッドへ

ナレッジ

近年のBtoB購買では、顧客はウェブサイトやFAQ、チャットボットなどを活用してセルフサービスで情報収集し、効率的に課題解決・意思決定する傾向が強まっています。
一方、マッキンゼーの調査(*)によると、BtoBの購買担当者のうち40%が新規取引先と契約する際には対面で会うことを希望しています。

このことから、自力で情報収集した後、営業担当者との直接のやり取りで最終決定するという購買プロセスであることが推測されます。

(*) Future of B2B Sales: Building the right team and talent to drive growth in an uncertain environment

 

BtoB購買の意思決定で必要な要素

BtoBの場合、以下の確信がなければ購入の意思決定には至りません。

  • 自社にとって有益であること
  • 継続的に利用できる商品・サービスであること
  • 信頼できる企業であること

しかし、金額規模が大きく、意思決定者の人数も多いため、Web上の情報だけで意思決定に至るのは非常に困難です。その結果、セルフサービスで情報収集した後の人との対話が不可欠となるのです。
住宅や車、保険、家電といった高額で長く使うBtoC商品で類似のプロセスが見られるのと同じ理由です。

若手の7割が、セルフサービス型の情報収集を好んでいる

顧客はリサーチの初期段階では、公式サイトや比較サイト、レビューなどを活用して自ら情報収集することを望んでいます。「営業担当者に話を聞く前に、自分なりの予測や判断材料を持っておきたい」という心理が働くからです。

特に若手担当者においてこの傾向は顕著で、Salesforceのレポートによると、ミレニアル世代のBtoB購買担当者の68%が営業担当者とのやり取りよりもセルフサービス型のリサーチツールを好んでおり、営業担当者とやり取りする前に、購買プロセスの最大70%をオンラインで完了していることが明らかになっています(*)。

つまり、人が必要なのは主に最終決定段階。情報収集フェーズにおける企業の役割は、顧客がセルフサービスで必要な情報を得られる環境を整えることです。

(*) Why millennials continue to reshape B2B ecommerce

 

購入のプロセスで “人”の価値を示すべきポイント

最終決定の段階では、単に「人が対応すればよい」というものではありません。重要なのは、対話を通じて意思決定の背中を押すことです。そのためには、顧客が最終段階で求めているものを的確に理解し、応える必要があります。

新規取引や高額契約におけるリスク回避

BtoB取引において最も避けたいのは、契約や支払いに関するトラブルです。支払方法、請求サイクル、契約期間、無料トライアルの有無などを明確かつ滞りなく説明することで、顧客は安心して最終判断を下せます。

オンボーディングに対する不安の解消

購買担当者はサービスの価値を理解していても、「社内にどう説明するか」「チーム全員が使いこなせるか」といった不安を抱えています。63%の顧客がオンボーディングが購入を決定する上で重要な考慮事項であると考えており(*)、営業担当者との対話を通じて導入後の利用イメージを具体的に描いてもらうことが意思決定の後押しになることがわかります。

長期的な信頼関係の確立

営業担当者とやり取りを始める段階で、「問合せに対する返事が遅い」「質問に対する回答が曖昧」といった印象を与えてしまうと、信頼関係の構築は困難です。また、近年はSNSで企業姿勢が可視化される時代でもあるため、誠実で一貫した姿勢を示すことがより重要になっています。

オンボーディング時にも”人”の対応が重要

人による対応は、購入後のオンボーディングの段階でも価値を発揮します。
Wyzowlの調査によると、使用方法を理解できなかったために製品を返品したことがあると答えた人は55%と半数以上。また逆に、オンボーディングが丁寧で歓迎されていると感じることができれば、利用を継続したいと考える人は86%に上っています。(*)

特にBtoBの場合、以下の理由でオンボーディングが難しくなる傾向があります。

  • 製品やサービスが複雑
    BtoCに比べて操作や設定が複雑で、単純なマニュアルや動画だけでは理解が難しいことが多い。
  • チーム全体への浸透が必要
    社内メンバーに使い方を教える役割を担う顧客側担当者の負荷や工数が増大しやすい。

そのため、わかりやすいマニュアルや動画といった資料だけでなく、企業の担当者が顧客側の担当者を丁寧にサポートする「人による対応」 が、利用継続や定着において非常に重要になるのです。

(*) Customer Onboarding Statistics 2020

 

“人”による対応は、リモートが主流に

コロナ禍以前は、BtoBでの「人による対応」といえば、直接会うことを指していました。しかし今では、BtoB接客の多くがリモートにシフトしています。実際、BtoB購買担当者の39%は「50万ドルを超える発注でも、リモートでの接点で十分」と回答している調査結果(*)もあります。
現地を訪問する事情がある場合を除き、リモートでも十分に信頼関係を構築できる時代になっていると言えます。

(*) More B2B buyers are willing to spend big bucks per online order

“セルフ×人の接点”を設計するハイブリッド営業が鍵

現在のBtoB購買のプロセスを踏まえると、BtoB企業が注力すべきは、「セルフサービスの情報収集・課題解決」と「人的サポートによる意思決定の後押し・ロイヤルティ向上」の両立を戦略的に設計することです。

Web上でそのまま接客できる「VOICHATサポート」では、

  • 顧客はチャットボットで自力の情報収集ができる
  • 営業時間内であれば、顧客はいつでも有人接客をリクエストできる
  • 有人接客ではチャットと音声が選択でき、画面共有も利用できる

上記の機能を備えているため、顧客は最適なチャネルをシームレスに行き来できます。
一次対応を外部委託できる「有人接客BPOプラン」もあるため、自社スタッフのリソースが足りない場合にもご利用可能です。

VOICHATサポートを活用すれば、顧客が自分で情報を収集できる環境を整えつつ、最終判断やオンボーディング時に必要なサポートを提供できます。
14日間の無料体験が可能ですので、ぜひお試しください。
弊社のサポートが必要な場合は、画面右下のウィジェットより、お気軽にお問い合わせください。