2025年3月、NTTコミュニケーションズ社がバーチャルオフィスツール「Nework」のサービスを2026年3月で終了することを発表しました。
リモートワークが定着し、そのスタイルが最適化される中で、従来のバーチャルオフィスツールは役目を終えつつあるようです。昨今のオフィス回帰の流れもあり、バーチャルオフィスツールの需要自体が減少しているという背景もあるでしょう。
しかし、リモートワークを希望する人の割合は依然として高く、株式会社パーソル総合研究所の調査によると、継続を希望する人は実に80%以上。LinkedIn社による調査でも、求職者の20%がリモートワークを希望していることがわかっています。
今後、優秀な人材を採用するためにリモートワークを受け入れる企業は、再度増えていくことが予測されます。
この記事では、従来のバーチャルオフィスツールが限界を迎えた理由と、今後のリモートワークにおいてツールがどのように最適化されていくかについてまとめました。
目次
従来のバーチャルオフィスツールが限界を迎えた理由

Neworkをはじめ、コロナ禍で人気を博したバーチャルオフィスツールの多くは、2Dや3Dのグラフィックでリアルオフィスを再現し、アバターやプロフィール写真を操作してコミュニケーションを取るものでした。
それらのツールが役目を終えつつあることには、いくつかの理由があります。
“オフィス空間を再現する”という需要が減少したこと
リモートワークが広がり始めた当初は、「リアルオフィスと同じ感覚で働けること」と「リモートワークの孤独感を解消すること」が重要視されました。そのため、遊び心のあるグラフィカルなツールが選ばれる傾向にあったのです。
しかし最近では、自らの意志でリモートワークをしている人がほとんどなので、よりシンプルなツールの需要が増していると考えられます。
万能型ツールの需要が減少したこと
コロナ禍では準備する余裕もないままにリモートワークに突入したため、「これさえあれば何でもできる」という万能型のツールが歓迎されました。多種多様なツールを比較検討し、導入する余裕がなかったからです。
しかしリモートワークを続ける中で、「チャットなら〇〇が便利」「あの取引先とのビデオ会議は△△」など他のツールとの併用が増えていき、多機能なバーチャルオフィスツールは逆に非効率になっていきました。
現状、一部の大企業ではTeamsで一本化されていますが、用途別にツールを使い分けている人が多数派です。
今後のリモートワークで選ばれるツールの条件
オフィスを再現するタイプのバーチャルオフィスツールが役目を終えつつあるからと言って、リモートワークのためのツールが不要になったわけではありません。
今後は、以下のような観点でツールが取捨選択されていくと思われます。
① シンプルな操作性であること
現在では多機能な万能型のツールひとつに絞るのではなく、用途によってツールを使い分けている人が多数派です。そのため、それぞれのツールは機能特化型で、直感的に使えることが重要です。
また、複数のツールを使うことを前提に考えれば、ストレスなく日常使いできること、メモリの使用量が少ないこと、低コストで使えることもポイントになります。
② カスタマイズ性が高いこと
リモートワークで高い生産性を発揮できる人の多くは、一定のITリテラシーを持っています。
そしてITリテラシーのある人は、作業環境を自分好みにカスタマイズすることで、より生産性を上げようとします。操作性がシンプルでありながらも、インタフェースを調整したり、他ツールと連携させたりといった柔軟なカスタマイズができることも重要になるでしょう。
③ AIで作業を効率化できること
タスク管理やスケジュール管理の自動化、重要なメッセージをピックアップ、議事録の作成や翻訳など、AIにより作業を効率化させる機能を搭載したツールが増えてきています。AIの活用で作業効率が高まるため、AIを使えるツールであることは当たり前になっていくはずです。
しかしAIが誤ったデータに基づいて処理してしまうリスクもあるため、AIの精度を精査することも重要になります。
④ 同期コミュニケーションを取りやすいこと
直接顔を合わせないリモートワークでは、どうしても非同期コミュニケーションが主流になります。しかし非同期に頼りすぎると、コミュニケーションのスピードが落ちることは避けられません。
生産性の高いリモートワークのためには、必要なタイミングで確実に同期コミュニケーションが取れる環境を整えることも重要です。
持続的なリモートワーク環境に向けた最適化が鍵

大企業のオフィス回帰やバーチャルオフィスツールのサービス終了のニュースに触れると、リモートワークの流れが終わりかけていると感じるかもしれません。
しかし実際には、リモートワーク希望者は高い割合のままです。ますますの人手不足が確実な今、多くの企業にとってリモートワークは今後も重要な働き方として位置づけられることは間違いありません
リモートワークを持続可能な形で運営できることが、今後の企業の競争力を左右するでしょう。
自社のリモートワークの状況をいま一度振り返り、ツールやインフラ環境の最適化を進めていく必要があります。
シンプルな操作性と迅速な同期コミュニケーションが可能な「VOICHAT」

わたしたちが提供しているVOICHATは、リモートワーク環境でも相手の状況がわかり、「ちょっといい?」の声かけがしやすいツールです。PCの端に寄り添うミニマムなUIでありながら、他のツールと結合させて使えるカスタマイズ性も兼ね備えています。
新しいコミュニケーションツールをお探しの方は、ぜひ一度お試しください。
調査データ出典:
株式会社パーソル総合研究所
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000036.000111116.html
リンクトイン・ジャパン株式会社
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000066809.html